えいえいお〜

今の生活がめっちゃくちゃつまらない。

 

私は昔から、なにかを生み出すことが好きだった。絵を描いたり、小説を書いたり、音楽を奏でたり。自分の手でしか作れないものがあることが快感だった。物心ついた頃からの趣味だ。

それと、いろんな言語にも興味があった。中学で英語と日本語の違いの面白さに気づき、大学ではスペイン語言語学を専攻した。

言語学の勉強はとても楽しくて、大学の勉強がつらいということはほとんどなかった(レポートの締め切りにはいつも追い詰められてたけど)。卒論を書くのもそんなに苦しんだ覚えはない。しばしば授業をサボったりもしたが、けっこう興味を持って勉強できていたと思う。

 

大学4年になって、就職活動の時期に入った。スペイン語関係の仕事も考えたが、留学にも行っていないし喋れないので断念した。じゃあものづくりをしようかな、と思い、商品開発に携わることを夢見て文具メーカーを受けまくった。が、全部落ちた。

周りの友達がどんどん就職先を決めていく中、私ひとり取り残された。まあそのへんは個人差があるのでそんなに気にしてなかったが、「このまま決まらなかったらどうしよう」という焦りから就職エージェント的なところに相談しに行った。

「ものづくりがしたい」という私の希望を聞いた担当者は、IT業界を勧めてきた。システムエンジニアになれば、システム開発ができる、と。

そりゃ良いな、プログラミングのことは何もわからんけど勉強させてもらえばなんとかなるか、勉強は好きだし。と何社か受けて、1社内定をもらった。それが今の会社だ。

 

入社して、プログラミングの勉強をした。ただ、まったく興味が持てなかった。だんだん身についてはいく。ただ、興味がどうしても湧いてこない。言語学の勉強がどんどん恋しくなっていった。

研修期間を終え、業務に携わり出した。しかし、システム開発ではない、事務みたいな仕事だった(事務職をバカにしてるわけではないです)。

全然私のやりたいことじゃない。毎日会社に行くごとに興味の無さを実感する。

興味のないことを続けるのはたいへんなストレスだ。業務以外でも、温室育ちの私は人間の上下関係が理解できず、さらにストレスが溜まっていった。わがままと言われると返す言葉がないが、正直いっぱいいっぱいだ。

大きすぎるストレスのせいか、以前から患っていた精神の病気が悪化した(診断を受けたのは最近だが)。満員電車で体調を崩し、遅刻していったり休んでしまったり。体が重くてめまいがする日もある。同僚に迷惑を掛けることも心苦しく、さらにストレスになっている。

 

今日も具合が悪くなって早退してしまった。帰って寝ていたら、出先から戻ってきた母が心配して部屋に入ってきた。体調が悪いということだけしか伝えていないのに、精神的な部分から来る体調不良だと察しているようだった。

ふだん親の前であまり自分の思いを話すことはないが、「なんのために親がいると思ってるの。なんでも話して」と言われ、泣きながらぽつぽつ言葉を漏らした。

今の仕事にまったく興味がないこと、このままだと将来の展望が何も見えないこと、ほんとうは大学院に行って言語学の勉強がしたいこと。

「それはたいへんだったね」と否定することなく聞いてくれた。「でも、動かないとだめだよ」とも。「大学院に行きたいのなら、大学時代の恩師に会って相談しなさい。今の仕事を続ける気はないんでしょ?言語学をやる方向に進むことが決まれば、仕事に対しても楽な気持ちになるでしょう」

まったくその通りだった。私が抱いている不安感の根底には、「これからどうしたらいいかわからない」という未来の見えなさにあったのだと気がついた。

母はさらに言う。「今まで行きたい中学や大学に行って頑張ってきたじゃない。なのに今ムダにするのはもったいないよ」

確かにそうだ。まあムダにしてしまっているのは自分なんだけれども。今つまらないのは自分が悪いのは重々承知している。

 

とりあえず、すぐに仕事を辞めるわけにはいかないが、一度恩師に連絡を取ってみようと思う。自分で言うのもアレだが、私はまだ若い。人生なんてどうとでも変えられる。自分の人生をできるだけ希望通りに動かすために、少しずつ働きかけていく。

 

えいえいお〜